2012年6月6日水曜日

日新工芸の歴史をさかのぼる

華鬘(けまん)
日新工芸の歴史をさかのぼると、江戸時代にたどりつきます。

京都では、各地域のお寺が今の区役所の役割を果たしていたそうで、お寺の中には、檀家の過去帳や系図などが保存されている場合があります。

西脇家先祖代々のお墓のある京都市下京区の大泉寺にも資料が保存されており、それによると、1680(延宝8)年に佛具屋仁兵衛が神仏の錺(かざり)金具の製作を始めたそうです。

その後、代々錺金具や鍛金といった金属工芸の技術を継承し、明治時代には私の曽祖父・西脇長四郎が、蝋型鋳物や七宝、象嵌で室内装飾用の金属工芸品を製作し、米国にも輸出していたそうです。

大正9年には、祖父・西脇長次郎が西脇錺金具製作所を開設し、神仏錺金具や神輿等の金属工芸品を製作。
後に、旗棒の飾り金具等付属品一式の製造を始め、戦時中は、軍刀の外装金具も製作していました。

写真の華鬘(けまん)は、西脇長次郎が製作し大泉寺に献納したもので、今でも大切にお使いいただいております。

終戦後の昭和24年には、父・西脇一雄が西脇金属工芸製作所を開設し、優勝カップや楯、トロフィー、メダル等の褒賞品と、金属工芸品、記念品の製造を始め、昭和40年に日新工芸株式会社を設立しました。

初代佛具屋仁兵衛から数えて、私で十五代目になります。
錺金具の技術は持ち合わせておりませんが、お寺や神社へ参った時には、ついつい錺金具に目が行き、ご先祖様のことを思います。

皆様もお寺や神社へ参られた時は、綺麗に装飾された様々な錺金具がありますので、是非ご覧ください。

                                                 西脇眞次

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