2012年6月29日金曜日

製造工程の紹介 ~ オプティカルガラス ~

透明度が高く、カット面を加えることで煌びやかな輝きを見せるオプティカルガラス。
当社の売れ筋商品群の一つです。

今回は、ガラスの研磨工程を映像でご紹介します。

研磨用の細かい砂と水とを使って研磨作業をしています。
ご覧の通り、手作業で形作って行きますので、形状や寸法には若干の個体差が出ます。
予めご了承ください。



2012年6月18日月曜日

加工方法の紹介 ~ JPシリーズ/UVシリーズ ~

ダイレクト印刷についてご紹介した前回に引き続き、今回はその技術を応用した当社の表彰楯、JPシリーズとUVシリーズについて、それぞれの特長と相違点について解説します。

【JPシリーズ】
特殊な表面処理を施したアルミプレートに、インクジェット方式のプリンタで印刷します。
プレートは下図のような構造になっており、インク受理層に浸透することでインクが定着します。

(メーカー資料転載)



インクの種類については、染料系と顔料系の双方に対応していますが、当社では日光に当たる環境に製品が飾られることを想定して、色あせしにくい顔料系インクを使用しています。
また、インク受理層は水溶性で、水などに濡れるとインクが溶け落ちてしまうため、当社では表面をラミネートでコーティングして印刷面を保護しています。


<特 長>
フルカラーのイラストや写真を手軽に印刷できます。
アルミのもつ素材感によって、光沢のあるメタリック調の写真表現ができます。

<注意点>
インクジェットプリンタのインク(CMYK濃淡合わせて8色)では、白を表現することができません。市販されている写真用インクジェット用紙や印画紙では、用紙の白が白インクの役目を果たし、綺麗なプリント写真になりますが、JPシリーズの場合は、アルミの銀色が印画紙等の白の役目を果たしますので、写真の質にこだわって綺麗に表現したい場合は、JPシーリーズ方式はお薦めしません。


【UVシリーズ】
紫外線(UV)を照射することによって硬化する性質をもつインクで、素材にダイレクト印刷します。

<特 長>
透明または有色素材に印刷する場合は、白色インクで裏打ちすることで、鮮明なフルカラー表現ができます。

金属(アルミ、ステンレス、銅など)、ガラス、アクリル、PET、ナイロン等、幅広い素材に印刷できます。

<注意点>
金属、ガラス等の無機物に印刷する場合は、素材への定着をよくするためのプライマー処理が必要です。

アクリル等の透明素材に印刷する場合は、白の裏打ちがないと、全ての色に光が透過するため、カラー映えがしません。






JPシリーズ/UVシリーズは、GOLDSTAR Web カタログ、31~38ページに掲載しています。是非ご覧ください。
なお、UVシリーズには、9種類の既製ベースデザイン(31ページ)をご用意していますので利用ください。
もちろん、既製以外のオリジナルデザインでお作りすることもできます。

2012年6月12日火曜日

加工方法の紹介 ~ ダイレクト印刷 ~

今回ご紹介する加工方法は、ダイレクト印刷。
フルカラーの写真やイラストを手軽に表現できる加工方法として、近年需要を伸ばしています。

「ダイレクト印刷ってなに??」 という声が聞こえてきそうなので、少し解説を。

先ずは、カタログなどの印刷物に一般的に用いられているオフセット印刷について。
印刷原理など技術的な説明は省略しますが、大まかには以下の工程を経て印刷物となります。

組版=版下(製版用の原稿)の作成

色分解

製版=製版フィルムの作成(カラー印刷の場合は4色分のフィルムを作成)

色校正

刷版=本刷り用の版の作成(カラーの場合は4色分の刷版を作成)

印 刷

※ 上記の4色とは、一般にCMYKと表現され、色の三原色(青緑・赤紫・黄)+黒(墨)のことです。


また、シルクスクリーン印刷の場合は、同様に組版→製版→刷版→印刷の工程を踏みますが、オフセット印刷が4色の掛け合わせでカラーを表現するのに対し、シルクスクリーン印刷では、色の数だけ製版と刷版が必要になります。
例えば、タオルに6色印刷する場合は、6色分の版の作成と色調合が必要となりますので、製作する数量が少ない場合は、製品以外の別途費用がかさんで、1個当りの費用が高くついてしまいます。

さて、前段が長くなりましたが、これからが本論。 ダイレクト印刷とは何か?

それは、前述の「色分解」から「刷版」までの工程が全く不要で、パソコンで組版したデータを印刷機に出力し、対象物に直接に印刷する方法のことです。

ダイレクト印刷のメリットとしては、次の3点があげられます。
①小ロットに有利 (数量が多い場合は、他の方法が有利なときもあります)
②短納期 (製版・刷版の工程が不要)
③低価格 (製版・刷版の費用が不要)

他にないオリジナルデザインをフルカラーで印刷し、あまり費用をかけずに、少しだけ作りたい方にお薦めの加工方法です。


当社では、表彰楯にこのダイレクト印刷を採用し、
JPシリーズとUVシリーズとして展開しています。

次回は、JPシリーズとUVシリーズの特長と、
その違いについて詳しくご紹介します。

お楽しみに。

2012年6月11日月曜日

加工方法の紹介 ~ レーザー彫刻 ~

スポーツイベントや文化イベントなどの表彰式でお使いいただくことの多い当社の褒賞品。
製品のデザインと同様に重要なのが、金属プレートなどに刻まれている言葉。
その言葉の刻印加工には様々な方法があり、従来はダイヤ彫りやシルク印刷、腐蝕(エッチング)、アルマイト染色などが一般的でしたが、最近はレーザー彫刻やダイレクト印刷を使う機会が増えてきました。

今回は、その中から「レーザー彫刻」を取り上げ、レーザー加工を施す部材の種類による仕上りの違いをご紹介します。

先ず一つ目は、最も一般的な「アルマイト染色プレート」。
トロフィーや楯、メダルなどに使用されています。
レーザーによって表面の染色層が除去され、アルミ層が反応して白い文字が表れます。


二つ目は、「マーブル柄金属プレート」。
真鍮メッキ(金の代用メッキ)した鋼材にマーブル(大理石)柄の塗装を施したプレートで、表彰楯(LP101~103、LP208~210)に使用されています。
レーザーによってマーブル柄の塗装が除去され、光沢のある金色が表れます。

三つ目は、「飾り枠付き金属プレート」。
銀メッキした鋼材のレーザー加工面に艶消し加工を施したプレートで、表彰楯(LP202、LP204、LP215)に使用されています。
レーザーによって艶消し部分が除去され、光沢のある銀色が表れます。


四つ目は、「透明アクリル」。
表彰楯(LP110、LP111、LP131)に使用されています。
レーザーがアクリルに反応して白い文字が表れます。
奥行によって高級感を出すために、通常は文字を反転させ、アクリルの裏面にレーザーを当てます。


最後の五つ目は、「マーブル柄アクリル」。
裏面にマーブル(大理石)柄の塗装を施したアクリルで、表彰楯(LP107、LP109)に使われています。
文字を反転させ、アクリル裏面の塗装面にレーザーを当てると、レーザーによって塗装面が除去され、アクリルに反応して白い文字が表れます。



詳しくは、GOLD STAR web カタログ(P17~P22)をご覧ください。

2012年6月6日水曜日

新製品紹介 その1

GOLD STAR カタログNo.47 を発刊して早4か月が過ぎました。
今回は新製品の中からお客様にご好評をいただいている製品を2点ご紹介します。

B313

まず一つ目は、透明なオプティカルガラスと紺色のカラーガラスとのコンビネーションと、背面の流線形がとても美しい B313

この流線形の表現はとても難しく、熟練した職人の手によって形作られた逸品です。

セミオーダー対応として、紺色のガラス表面にサンドブラスト加工でロゴマークなどを刻印することもできます。
紺と白とのコントラストが鮮やかで、美しい仕上りになります。






B324

二つ目は、カット面の輝きが美しい透明のオプティカルガラスを、黄色のベースと組み合わせたB324

B313同様に、セミオーダー対応としてサンドブラスト加工による刻印も可能です。

ゴルフ場の月例トロフィーとしても採用された、スタイリッシュで女性にも大変人気のある製品です。



詳しくは、GOLD STAR web カタログ(P183、P189)をご覧ください。

日新工芸の歴史をさかのぼる

華鬘(けまん)
日新工芸の歴史をさかのぼると、江戸時代にたどりつきます。

京都では、各地域のお寺が今の区役所の役割を果たしていたそうで、お寺の中には、檀家の過去帳や系図などが保存されている場合があります。

西脇家先祖代々のお墓のある京都市下京区の大泉寺にも資料が保存されており、それによると、1680(延宝8)年に佛具屋仁兵衛が神仏の錺(かざり)金具の製作を始めたそうです。

その後、代々錺金具や鍛金といった金属工芸の技術を継承し、明治時代には私の曽祖父・西脇長四郎が、蝋型鋳物や七宝、象嵌で室内装飾用の金属工芸品を製作し、米国にも輸出していたそうです。

大正9年には、祖父・西脇長次郎が西脇錺金具製作所を開設し、神仏錺金具や神輿等の金属工芸品を製作。
後に、旗棒の飾り金具等付属品一式の製造を始め、戦時中は、軍刀の外装金具も製作していました。

写真の華鬘(けまん)は、西脇長次郎が製作し大泉寺に献納したもので、今でも大切にお使いいただいております。

終戦後の昭和24年には、父・西脇一雄が西脇金属工芸製作所を開設し、優勝カップや楯、トロフィー、メダル等の褒賞品と、金属工芸品、記念品の製造を始め、昭和40年に日新工芸株式会社を設立しました。

初代佛具屋仁兵衛から数えて、私で十五代目になります。
錺金具の技術は持ち合わせておりませんが、お寺や神社へ参った時には、ついつい錺金具に目が行き、ご先祖様のことを思います。

皆様もお寺や神社へ参られた時は、綺麗に装飾された様々な錺金具がありますので、是非ご覧ください。

                                                 西脇眞次