2012年3月14日水曜日

「人生25年×3+αを想ふ」

以下の文書は、今年米寿をむかえた父・西脇一雄が、平成12年10月21日に執筆した
一橋小学校最終同窓会 友へのメッセージ 人生25年×3+αを想ふ」 です。
皆様の心豊かで充実した人生の一助となればと思い、ここにご紹介します。


昭和の初め迄は人生50年と言われ、還暦・古稀・喜寿もその発想から出来たものです。
このたび辻様の提言で一橋小学校の同窓会のお世話をすることが出来、13名の久し振りの顔見世興行が実現したことに、ご出席の皆様に深く感謝しております。
人生50年が、大東亜戦争が始り戦雲急を告げる頃、私達青年は軍人として身を挺して国を護る使命感に、人生25年の宿命を自認し、それ以上は生きることは殆んど不可能と悟ったものです。
そして、残された僅かの日々を有意義に充実して、いかに生きるかを真剣に考えたものです。
私は海軍技術士官候補生として終戦を迎えました。
その間、戦争に多くの先輩や友達、同級生が悲しくも戦場の露と消えました。
私の家の近くの竹馬の友として楽しく遊び学んだ長谷川源太郎君、山下俊一君も惜しくも戦死されました。
幸せとは、自分の人生の経験の中に比較出来ることを知っていること。
長い長い人生の中には、いろいろと苦しいこと、つらい事もありました。
そんなとき、若くして戦場に消えた多くの友を思い、まだまだ努力が足らない、神からの試練と奮闘したものです。
2年前に京都専売病院で9時間に亘り前立腺癌の手術をしました。
私の友人の京都大学名誉教授の計らいで、東京国立癌センターの名医がわざわざ京都迄来て執刀していただきました。
日本一の名医に手術していただいて若し天から召されることがあっても、友達の3倍も生きられ、いろいろと充実した日を過ごすことが出来、私は幸せな人生だったと満足したものです。
術後は順調に回復、戦艦大和は惜しくもチンボツしたものの、元の健康に90%は回復することが出来ました。
4/4世紀、人生劇場完結編の年になり、会社に社会に世界に未だ未だしなければならないことがありすぎると思いました。
宿命と運命を区別すると、宿命は生老病死、誰ものがれることが出来ないもの。其の他人生は運命です。
現況は長年自らが運んだ日々の結果が今日の姿になり、今後の考え方が未来を創るのです。
戦後世界の医学と衛生管理のめざましい進歩の中、私達の平均寿命は延び、日本は長寿高齢社会へとなって参りました。
男性79歳、女性82歳が健康寿命、それ以後は余生寿命です。
私は10年前頃、年間20回以上、全国へ経営について講演に行く機会をいただきました。
いつもサミュエル・ウルマンの青春の賦を配りました。
お風呂の壁にも貼って潜在意識のため繰返し暗唱しております。
たった一度限りの片道切符の人生、いつも青春でありたい。
「若さとは人生のある時期のことではなく、心のありかたのことだ・・・」
心は人生構築の道具であり、感謝は心を豊かにする。
教えに感謝(総て現象は師)。行うことを楽しむ。自分を激励すると勇気が湧いて来ます。
人生の5年先の目標(経済・家庭・健康・趣味・教養・人脈)、10年先15年先の夢を、箇条書きに。
「書かざること実現なし」
書いても具体策通りにはなかなか進まないものです。
然し、たゆまない行動は形を作ってくれます。
61歳から始めた油絵、最近始めた似顔絵など、仕事以外に忙しい日々ですが、心は亡んでいないことを知ってください。
めぐり逢うとは思っていなかった21世紀もあと70日程で訪れます。
皆様いつまでもお元気で心豊かな充実した日々を過ごして下さい。
ご多幸を祈ります。

一橋小学校最終同窓会の皆様へ

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