2013年3月1日金曜日

潜在能力を引き出す不屈の努力

今回は、約10年前に社員の皆さんへ配信したメッセージを転載します。
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先日、新千歳空港で「口と足で描く芸術家協会」の絵画展に偶然出会いました。
配布されていたパンフレットには、次のようなメッセージが書かれてあります。

どの作品も両手のない人々が口や足に筆をとって描いたものです。

人々は事故や病気で両手や、両手の自由や、体の動きを失いました。
しかし、人生が終ったのではありません。
人々は失望から立ち上がり、自信を取り戻し、職業を求め、生き甲斐のある生涯を生きようと決意しました。
そして、動かない体のことを泣くのを止めました。
残された口や足に筆をとって訓練と勉強を始めました。
勝手に動きまわる手と闘う人、全身マヒで口では鉛筆もくわえられない人。
口や足での勉強は誰かに代わっては貰えないものです。
繰り返し飽きずに自分一人でやり通すものでした。
どの障がい者にも苦難の歴史があります。
それをこえて今、人々は口や足で描きます。
社会の皆さまに喜んでもらえる絵を描き、皆さまの仲間入りをしたいと願い励みます。
人々は国境を越え国際的に協力し、この協会を築きました。
今、世界の67(現在は74)の国と地域の障がい者が互いに助け合っています。
温かいご援助が若い障がいを負う人々に、新しい未来の生活を与えてくださいます。

私には絵の良し悪しや、上手い下手は判りません。

今までに名作と云われる絵画も幾つか観てきました。
しかし、これほどまでに心を振るわせる強烈な感動を受けたのは初めてです。
もし自分が何らかの事故で手足の機能を失い、寝たきりの生活を余儀なくされたらどうだろう。
自分の運命を恨み、家族や周囲の人々のお世話にならなければ、一人では何も出来ない自分を嘆き悲しむことでしょう。
まさに失意のどん底、地獄です。
ところが、彼らはそこから見事に這い上がってきました。
私たちの想像を遥かに超える壮絶な努力によって。
彼らの作品には、人間の潜在能力の素晴らしさを感じます。
また同時に、人間は誰でも何らかの才能をもっており、弛まぬ努力を続けることによって、その才能は必ず開花するものだということを教えられた気がします。

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